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八幡東区東田三丁目3-12

東田第一高炉史跡

 わが国の近代製鉄発祥の地として高炉や熱風炉が保存され、平成8年には北九州市指定文化財(史跡)になりました。
 高炉の炉頂には「1901」と大書されています。明治34年(1901)2月5日の官営八幡製鐵所東田第一高炉の火入れを記すものです。当時はドイツから技術者を招き、製鋼から製品までつくる一貫製鐵所として建設されました。創業期は予定通り出銑せず、一時は操業中止に追い込まれましたが、操業法の改良や改修で復活、設備も増強さていきました。敷地を広げ、埋立地・洞岡にも高炉を建設、昭和9年(1934)発足した日本製鐵の中では最大の事業所となりました。
 太平洋戦争中の被害も比較的小さく、戦後のわが国の復興に「八幡の鉄」は大きな役割を果たしました。ピーク時の昭和40年代前半には八幡地区6基、戸畑地区4基、計10基の高炉が稼動、粗鋼生産は年900万トンに上りました。
 生産拠点の移転や合理化の影響で、昭和53年には高炉はすべて戸畑地区に集約、現在保存されている高炉は第10代として昭和37年に建設されたわが国初の超高圧高炉です。周辺は史跡広場として整備され、銑鉄を運ぶトーピードカーや鋼鉄を作る転炉なども展示されています。

【アクセス】 JRスペースワールド駅より徒歩5分