小倉北区中井浜4 魯山公園
橋本多佳子句碑
「乳母車 夏の怒涛に よこむきに」
杉田久女句碑
「谺して 山ほとゝぎす ほしいまま」
櫓山公園は、江戸時代に小倉藩の見張り番所があったところです。
この地に、1920年、大阪の実業家橋本豊次郎が瀟洒な洋館「櫓山荘」を建てました。「櫓山荘」は小倉の文化サロンとなって、宇野浩二、里見弴、久米正雄、野口雨情、中山晋平などの著名人が訪れています。
「ホトトギス」を主宰する高濱虚子を招いた句会をきっかけに、夫人の橋本多佳子が俳句を始めることになり、杉田久女の手ほどきを受けます。ここは、女性俳句の黎明期をリードした久女と、戦後「七曜」を主宰し、華々しい活躍をした多佳子。我国の俳句史を飾る才能豊かな二人が出会った場所です。
往時の遺構が残る公園に佇む石碑には、個性溢れる自筆の代表句が並んで刻まれています。