門司区大字門司349 和布刈神社内
松本清張文学碑
松本清張文学碑
神官の着ている 白い装束だけが火を受けて、こよなく清浄に見えた。
この瞬間、時間も、空間も、古代に帰ったように思われた。
小説「時間の習俗」より
和布刈神社は早鞆の瀬戸を望む門司で最も古い神社です。九州最北端に鎮座するこの神社の創建は、仲哀天皇の9年(200)に創建されたと伝えられ、江戸時代までは隼人社、または速戸社と呼ばれていました。
また旧暦元旦払暁(フツギョウ)に行われ、新年の予祝行事としても全国的に有名な和布刈神事(県指定無形民俗文化財)の歴史もたいへん古く、1200余年前から続いている神事です。 松本清張の文学碑の碑文は和布刈神事を描写したものです。
松本清張の文学碑のほか、高浜虚子、久保晴、飯尾宗祗の句碑も同敷地内にあります。
飯尾宗祇文学碑
飯尾宗祇句碑
舟みえて霧も追門(せと)こすあらしかな
室町時代の連歌師飯尾宗祇は60歳の文明12年(1480)9月、滞在中の周防(山口県)の大名大内政弘のところから連歌の守護神とされていた大宰府天満宮の参詣へと旅立ちました。
この旅の途中で平家一門の菩提を弔っている阿弥陀寺(今の赤間神宮―下関市)に立ち寄った。この時の連歌の会で詠んだ句を刻んだ句碑がここに建てられています。(大正4年建立)