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門司区大字門司349 和布刈神社内

高浜虚子句碑

 
 和布刈神社は早鞆の瀬戸を望む門司で最も古い神社です。九州最北端に鎮座するこの神社の創建は、仲哀天皇の9年(200)に創建されたと伝えられ、江戸時代までは隼人社、または速戸社と呼ばれていました。
 また旧暦元旦払暁(フツギョウ)に行われ、新年の予祝行事としても全国的に有名な和布刈神事(県指定無形民俗文化財)の歴史もたいへん古く、1200余年前から続いている神事です。
 俳人高浜虚子は門司を何度も訪れています。
 関門の自然美と源平古戦場を目の当たりにして、次の句を詠んでいます。(句碑建立 昭和31年)
「夏潮の今退く平家亡ぶ時も」
 虚子の句碑のほか、久保晴、飯尾宗祗の句碑や松本清張の文学碑も同敷地内にあります。

●高浜虚子
(たかはま きょし)1874~1959
 愛媛県生まれ。
 同郷の先輩正岡子規と文通し俳句の機縁を得る、子規没後「ホトトギス」を主宰しました。
 子規の写生説を継承し、花鳥諷詠の伝統俳句を築きました。俳句の他小説など幅広く活躍。日本芸術院会員、文化勲章を受けました。
 句集「虚子句集」「五百句」小説「俳諧師」「虹」など著者多数。「定本高浜虚子全集」が出版されています。虚子はしばしば九州を訪れ、門司を何度も句に詠みました。昭和5年「春潮と言えば必ず門司を思ふ」と詠み昭和16年「夏潮の今退く平家滅ぶ時も」と詠んでいます。
 昭和31年に句碑を和布刈神社境内に建てようとした「門司ホトトギス会」の会員達が虚子に意向を聞き後者が碑になりました。

【アクセス】 バス停、和布刈神社より徒歩3分