八幡東区祇園町二丁目5-1
仲宿八幡宮
むかし、八幡の前田の村に、木こりの狭吾七が住んでいました。 ある日のこと、村に美しい娘巡礼がやってきて観音堂に泊まりましたが、疲れからか病気になり寝込んでしまいました。
美女が観音堂にこもっていることが知れ渡ると、村の若者達は自分の嫁さんにしようと、色々と試みますが見向きもしません。 若い狭吾七も誘われて観音堂にやって来ました。すると、美しい娘は狭吾七にだけ心を許し、「名はおさよ、年は17才、母が亡くなり諸国巡礼をしている。」と身の上話をしました。 そのうち、 お互い心が通じ合うようになり、おさよの病気も治り、恋人同士になりました。
これをねたんだ村の若者たちは、狭吾七を殺そうと計画しました。八月の仲宿八幡の祭りの夜、狭吾七は喧嘩を売られ、挙句の果てに焼き殺されてしまいました。これを知ったおさよは、狭吾七の後を追って自殺しました。
こ のことがあって以来、村には次々と異変が起こるようになりました。これは、おさよと狭吾七のたたりだと噂が拡がり、村人達は小さな社を立てて、二人の霊を慰めました。 それ以来、村には異変が起こらなくなったということです。
この社は、現在、仲宿八幡宮の境内にあります。